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第1回 「糖化ストレスとAG当量」

第1回 「糖化ストレスとAG当量」

最近よく耳にする糖化ストレス。はじめに糖化ストレスとは何かについて説明します。

もともとは食品中の反応から反転しました。ホットケーキを作る時、材料の小麦粉を水に溶いてフライパンで熱します。はじめ白色だったのが、黄ばんできて、こんがりとしたキツネ色に変わり、香ばしくなります。これは、小麦粉に含まれるタンパク質と炭水化物が反応して、終末糖化産物(AGEs)ができるからです。この反応には糖質由来の中間体アルデヒドが関与します。この反応は1912年にフランスのメイラード博士により発見されたので、メイラード反応と呼ばれています。

AGEsはひとつの物質ではなく、200種類以上あると言われています。味噌や醤油、コンソメスープ、お好み焼き、コーヒーにも豊富に含まれており、大部分のAGEsは有用であり、食品の味と香りの決める重要な要素となっています。

問題は、このような反応が私の身体の中で生じることです。糖化ストレスとは、身体の中にアルデヒドが過剰にできてしまう状態を意味します。身体の中のたんぱく質が糖質由来のアルデヒドと反応して、たんぱく質の変性を起こし、AGEsが蓄積するという反応が生じてしまうのです。これはもはや病気です。老化に関連すると考えられてきた様々な病気を引き起こし、進行させてしまうのです。

糖化ストレスは、図に示した様々な病気の危険因子です。

食育による糖化ケア

食育による糖化ストレス対策(ここでは糖化ケアと呼ぶことにします)は次の3段階に分けられます。

  • 食後高血糖(血糖スパイクと呼ばれています)の抑制
  • AGEsの生成抑制
  • AGEsの分解促進

「血糖スパイクを減らすこと」で、糖化ストレスの原因を一つ減らすことができます。大切なことは血管の中のグルコース濃度(血糖値)を急激に上げないことです。良く噛む、ゆっくり食べる習慣を身に付けるだけでも、効果があります。

二つ目の「AGEsの生成抑制」は、糖化反応をできるだけ抑えて、身体の中でAGEsの生成をできるだけ減らすことです。私たちの研究室では700以上の食材を調べた結果、野菜や果物、スパイスやハーブ類には、AGEs生成抑制作用を持つ成分を多く含むものがあることがわかりました。これらの食材を積極的に利用することによって、私たちの身体の中のAGEs生成量を減らすことができるのです。

三つ目は「AGEsの分解促進」です。身体の中にできてしまったAGEsの一部を分解することによって、より安全な代謝産物に変える作用や、体外へ排出されやすくする作用です。食材の中にはAGEsの分解を促進する作用をもつものがあります。私たちの研究室は、どのような食材にAGEs分解促進成分が含まれているか、研究を進めています。

食材の特性と機能

私たちは毎日の食事をとることによって、栄養やエネルギー源を得ています。日々の活動を支えるエネルギーだけではありません。身体を構成する筋肉や骨や皮膚、そして脳や内臓までも古い組織や成分は取り除かれて、常に新しいものに置き換わっています。これが新陳代謝です。材料となるのは、もちろん毎日の食事です。私たち身体は食事から得られた栄養によって作られているのです。日々の成長が著しい子供たちにとっては、食事による栄養摂取は大人以上に大切な役割を果たしています。

食品は、おいしくて栄養があり、衛生面からも安全でなくてはなりません。市販の食材には、タンパク質、脂質、炭水化物、塩分、添加物の量といった基本的な情報を表示することが義務付けられています。

私の研究テーマである抗加齢医学(アンチエイジング医学)の領域では、さらに一歩踏み込んだ食品の機能性表示を提唱してきました。それが「酸化ストレス」対策に関する表示です。「鉄や金属がサビる」のと同じ原理で、私たち身体は酸化することによってサビてゆきます。これも老化を促進する危険因子の一つです。

食品中には様々な抗酸化物質が含まれています。その代表がビタミンCです。色々な抗酸化成分の機能をビタミンCの機能に置き換えて、合算して、食品100グラム中に含まれるビタミンC分量として表したものが、「ビタミンC当量」です。

食品の抗酸化活性を評価したり比較したりするときにはビタミンC当量は大変便利な表示だと思います。

それでは、抗糖化活性はどのように評価したら良いでしょうか?

AG当量の登場

私たちは、食品の抗糖化活性を「AGEs生成抑制作用」の強さによって評価することにしました。基準になる成分としてアミノグアニジンという物質を選びました。略してAGです。

アミノグアニジン(AG)はもともと、製薬会社がAGEs生成作用を有する医薬品として開発した成分です。臨床試験では、1日AGを 300 mg摂取することで、AGEsの生成を抑制されることが示されています。しかし、ビタミン欠乏症などの副作用が生じたため、医薬品としての開発は中止となりました。

AGは、その後も、食品中の成分や新規の化合物のAGEs生成抑制作用を測定する実験で、標準物質として使用されています。

私たちは、食品のAGEs生成抑制作用を評価する際には、必ずAGと比較するようにしてきました。これらの実験成果を利用して、「食品中に含まれる成分のAGEs生成抑制作用をAG何mgの効果に相当するのかをAG当量として評価」しています。

AGの臨床試験では1日300 mg摂取することでAGEs生成することが示されました。私たちは、様々な糖化ケアサプリメントの臨床試験のデータから、抗糖化機能を発揮するために必要なAG当量を評価してきました。食品成分によって腸管吸収率に差があること、食材によっては腸内細菌によって代謝を受け、さらに効果が増強することなどが分かっています。今のところ、食品として摂取した場合は、AG当量として500 mg以上あれば、身体におけるAGEs生成量が緩和されると推測しています。

食品中のAGEs含有量について

食品中のAGEsについては、アクリルアミドなどのごく一部のAGEsが有害であることがわかっています。これは、2002年のスウェーデンの報告で、高温で揚げたり、焼いたりしたじゃがいも加工品や穀類加工品にアクリルアミドが検出されたことがきっかけになっています。

日本では、ポテトスナックやフライドポテトについて、食品関連事業者が自主的な取組により、アクリルアミド濃度を低減させたことが農林水産省による2013年の調査で裏付けられています。

その一方で、食品中AGEsは悪者という風評が広がったことも確かです。私のところには数人のシェフから、「食品中AGEsは本当に有害なのか?」、「私たちはどんな料理を提供したら良いのか?」といった質問や相談を受けました。

食品中のAGEsは料理の味と香りをひきたてる重要な因子です。私たちは、本能に従っておいしく感じるものを身体に必要で、有益な食糧と認識して、摂取してきました。実際に、味噌、醤油、コーヒーにはメラノイジンといった身体に好影響をもたらすAGEsが多く含まれています。

 大切なことは、食べ過ぎないことです。いくらおいしくて有益な成分を多く含む料理であっても、食べ過ぎてしまってはいけません。それぞれの体格と身体活動量に見合ったカロリー摂取、栄養バランスを心掛けることが大切です。

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米井 嘉一様

同志社大学 生命医科学部 教授
アンチエイジングリサーチセンター 教授

慶応大学医学部卒業。アメリカ留学、各医療機関を経て、現在、現大学のアンチエイジングリサーチセンター教授と生命医科学部教授を兼任。
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